小説集
長編小説を主とした小説集……1.小説「ゴエモン」−−2.小説「才蔵」−−3.小説「拙者、才蔵」−−4.「日本軍上陸−パタニ王国」(新連載)−−4つの小説をお楽しみください。
プロフィール

石川淳也

Author:石川淳也
【石川淳也】小説「ゴエモン」著者
高校三年生。現在、大学受験勉強に悪戦苦闘中。
ゴエモンは小学2年生のときに我が家に来て、8年間一緒に暮らしました。
この物語は、ゴエモンとの思い出に少しだけ脚色したものです。

【山崎ミカ】小説「才蔵」著者
現在、高校二年生。中学生のとき才蔵と出会い、二人で生活しています。この小説はミカと才蔵の不思議な関係と二人の活躍を少しだけ脚色したものです。

【宮根真司】小説「拙者、才蔵」著者
本名、霧隠才蔵。山崎ミカとタイへ旅行した際、不思議な出来事に遭遇した。事件もあった。それらを小説にしたもの。

【田中廣一】小説「日本軍上陸」著者
拙者、才蔵に出てくる山田長政、山田オクン、脇坂、里見等と不思議な体験により出会った。その体験を小説にしたもの。


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才蔵 第一章 平成の時代 No.5
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小説「才蔵」目次、紹介、あらすじ【現在進行中】 

小説「ゴエモン」目次とあらすじ(第一巻終了) 




 山崎ミカです。

 この小説の舞台は広島です。大坂夏の陣から突然、現在の広島に

才蔵お兄さんは迷い込んだことになります。

 すでに、お分かりと思いますが、これはタイムスリップです。

 偶然でしょうか? 私はタイムスリップなど偶然と思っていたので

すが、実は偶然ではなかったのです。

 なぜ、お兄さんがこの時代に迷い込んだのか? そして、なぜ自

殺をしていた私を助けたのか? これらは偶然ではなく、誰かによっ

て行われたことでした。

 第四章まで読めば分かります。




 ==では、今回もどうぞ!==


 翌日の朝、山崎ミカは学校を休むことにした。この日だけではない。

すでに、一週間休んでいる。

 ミカは居間でテレビを見ていた。母は隣の部屋で未だ寝ている。

 ミカはマンションで母親と二人で暮らしているのだ。

 居間とキッチン、バスルームとミカと母の部屋がある。いわゆる二L

DKの間取り。



 テレビは朝のワイドショー番組をやっており「公園の怪」、「かまい

たち現象」というタイトルで近くの公園が画面に出ていた。

 レポーターが言った。

「昨夜、この公園でオートバイを乗り回していた若者達が、何者かに右

手首を切られました。彼らは、何者に切られたのかも知らないというこ

とです。

 誰かに切られたという感覚ではあるが、その姿を見ていないのです」

 その後、周辺の住民に対してインタビューをしている。

 顔の部分をぼかされた人達が、

「毎日うるさくて、注意をしても聞いてくれませんし、一週間前に注意

をした人が殴られたんです。

 本当に、いい気味ですよ」

 レポーターは、続けて喋り始めた。

「四人も手首を切られて、相手の姿を見ていないとは考えられず、年輩

の人達は“かまいたち現象だ”と言っています。

 また、この公園から一キロ離れたところで、屋根の上を飛ぶ大きな黒

い猿を、偶然写真に写した人がいます。

 これが、その写真です。

 猿というよりも、人間のようにも見えます」

 写真がテレビに拡大されて映し出された。

 Vサインをしている笑顔の女性の遠く後ろの屋根の上を飛ぶ影があっ

た。

 その影の部分を更に拡大して映し出した。

 ジョギングウエアのようなものを着た影の頭から、女性のように長い

髪が後ろにたなびいている。

 その写真を写したという若い男女が応えていた。

「レストランで食事をしているとき、お互いに写真で取り合ったんで

す。俺が彼女を写した写真の中に、向こうの屋根の上を飛ぶ姿が入って

いたんです。

 シャッターを切るときには分りませんでした」

 ミカはテレビの画面に映し出された写真をみて、昨日の武士のような

男だと思った。




 その日の夕刻、ミカを助けたマンションの下に立った才蔵は、階段を

駆け上がり四階の山崎と表札の出ているドアの前に立った。

 中の様子が分らない。

 更に、上へと駆け上がり屋上へ出た。

 屋上から飛び降り、飛びながら方向を変えてミカの家と思われるテラ

スに入った。

 そこから中へ入ろうとするが、透明の板が邪魔をして中へ入ることが

できない。しかし、透明であるから中の様子が分った。

 ミカだけである。他に人の気配は感じられない。

 透明の板をトントンと叩いた。−− 「きゃあーっ」と叫びそうにな

ったミカではあるが、それが昨日の才蔵であることが分った。

 透明の板、ガラス戸を開けた。

「おじさん、どこから来たの。ここは四階よ」

 才蔵は中に入った。

「ミカ殿、少々聞きたいことがある」

「それよりも、昨夜、屋根の上を飛んでいたでしょう!

 今も、この四階に飛んで入ってきたの?」

 才蔵は驚いた。しかし、顔の表情に変化はない。

「なぜ、そのようなことを言う?」

「だって、テレビが言っていたもの」と言ってテレビを指差した。

「この箱がテレビというものか。この箱が言うとは、どいうことか?」


 ミカは笑いながら、リモコンでテレビを点けた。

「この時間のニュースでも、おじさんのことを言っているかも知れない

わ」

 夜のニュースでは、朝の報道よりも大袈裟に取り上げられていた。

 屋根の上を飛ぶ大きな猿は誰かがいたずらをしたものであろうという

意見に、それが可能かどうか実証している場面も出てきた。

 才蔵はテレビに驚いたが、それ以上に才蔵の姿が映っていることに驚

いた。

「拙者の姿は誰にも見えぬはずであるが、拙者以上の術を操る者がいる

とは……」

「ミカ殿、頼む。教えてくれ。ここはどこなのじゃ。

 そなた達の言葉は、拙者のものと少し異なるが、異国のものとも思え

ぬ」

「昨日、おじさんと分かれてから考えたのだけど。

 おじさんは、タイムスリップしたのではないかしら。本当にそんなこ

とがあるとは思わなかったけど」

「その…… タイム何とかとは、何のことでござるか?」

「タイムスリップ。−− タイムスリップとはね。過去から未来へ、未

来から過去へ移動することをいうの」

 才蔵は、黙って考え込んでいる。


 ==今回はここまで==




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 美奈子で〜〜す。


 ミカさんはなぜ、学校を休んでいる? 不登校を続けているんでしょ

うか? ミカさんのように強い人が不登校? 信じられません。

 だって、私がいじめに遭っているときに助けてくれたんですよ。相手

に手も触れずに、倒してしまったんですから……

 まっ、いずれわかるんでしょう。それまで読んでください。




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