小説集
長編小説を主とした小説集……1.小説「ゴエモン」−−2.小説「才蔵」−−3.小説「拙者、才蔵」−−4.「日本軍上陸−パタニ王国」(新連載)−−4つの小説をお楽しみください。
プロフィール

石川淳也

Author:石川淳也
【石川淳也】小説「ゴエモン」著者
高校三年生。現在、大学受験勉強に悪戦苦闘中。
ゴエモンは小学2年生のときに我が家に来て、8年間一緒に暮らしました。
この物語は、ゴエモンとの思い出に少しだけ脚色したものです。

【山崎ミカ】小説「才蔵」著者
現在、高校二年生。中学生のとき才蔵と出会い、二人で生活しています。この小説はミカと才蔵の不思議な関係と二人の活躍を少しだけ脚色したものです。

【宮根真司】小説「拙者、才蔵」著者
本名、霧隠才蔵。山崎ミカとタイへ旅行した際、不思議な出来事に遭遇した。事件もあった。それらを小説にしたもの。

【田中廣一】小説「日本軍上陸」著者
拙者、才蔵に出てくる山田長政、山田オクン、脇坂、里見等と不思議な体験により出会った。その体験を小説にしたもの。


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エピローグ  二十一世紀 No.4
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 現在、「日本軍上陸 − パタニ王国」を連載中です。
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小説「才蔵」目次、紹介、あらすじ  【主な登場人物】

小説「ゴエモン」目次とあらすじ(第一巻終了) 


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 日本軍上陸 − パタニ王国



エピローグ  二十一世紀 


 ====

 実は、二十一世紀の私の家で首を絞められ、体を押さえつけられたと言っておられましたが、首を絞めたのは私です。体を押さえたのはヘーロンの父親でした。

 田中少尉から日本軍の上陸の話しを聞いた私は、パタニにいる支那人が日本軍に殺されるかもしれないと思い、ヘーロンの父親に相談をしました。彼も私と同じ思いでした。

 日本軍を上陸させないためには田中少尉を殺すしかないと判断をしたのです。しかし、少尉を殺しても、殺さなくても歴史は変らず、日本軍は上陸したはずです。



 廣一は、ヘーロンの家を訪れたとき、驚いたような顔をした父親を思い出した。




 あれは浅はかな行為でしたが、廣一さんがこの時代に来られる原因となったのですから、私達にとって有意義でもありました。

 シャオユイは亡くなりましたが、廣一さんがこの時代に現れなかったら、もっと多くの支那人が被害に遭っていたかもしれません。

 その後の私は支那人達との関係で、微妙な立場に置かれることになりました。ワン・ムーチェン達、成功している支那人からは信頼を得るようになり、彼らとの取引が増えてきました。

 一方、一般的な支那人からは日本軍にシャオユイが殺され、その場に私もいたことから彼らは私を恐れるようになりました。

 さらに、日本軍の劣勢が目に見えて明らかな状態になってくると、私を恐れていた支那人は、私の仕事の妨害をするようになりました。

 支那人達にとって、私は敵である日本そのものに思えたのでしょう。

 大日本帝国あるいは日本軍に対する、今までの虐げられた感情を私に向けているのです。

 ゴム農園は支那人に取られてしまいました。どのような手口で取られたかを言うことは、私の愚痴になるかもしれませんのでやめておきます。

 私が素直にゴム農園を手放したのが良くありませんでした。彼らは、私の非力を知りました。

 劣勢となった日本の威力はなく、思いのほか私の抵抗が少ないと分った彼らは、私の家や商売の権利までも奪おうとしています。

 それでも私は、可能な限りこのパタニで商売を続けていきたいと思っています。

 廣一さんから聞いた戦後の祖国は、多くの都市が米軍の空襲によって焼け野原になる。そのような所へ戻るよりは、この地へとどまろうと思います。




 ところで私は妻をめとりました。廣一さんもご存知のタイ人の女です。私の家で給仕をしていた者です。

 私との間に一人の息子ができました。

 この手紙は、万が一のことを考えて妻に託しておきます。

 廣一さんがパタニに来られる時代になるまでに、妻が亡くなるようなことがあれば、息子に託してくれるでしょう。

 少し卑怯かも知れませんが、この手紙はあなた様が目覚めた後に渡すようにしておきます。

 寝る前にこの手紙をお渡しした場合、泊ることを拒否されるかも知れません。そうすると、廣一さんがこの時代に来ることはなく、多くの支那人が殺されてしまうかも知れません。

 そのような訳ですからお許しください。


 ==今回はここまで==



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