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小説「ゴエモン」目次
石川淳也です。
ゴエモンは前回で終わりました。これを第一巻として後日、第二巻
を考えています。ご期待下さい。
今回から「才蔵」が始まります。
僕は大学受験勉強で、書くことができません。そこで、実際に登場す
る山崎ミカさんにお願いしました。
山崎さんのことは、妹の美奈子から何度か、ブログで紹介さえている
ので知っていますよね。
では、山崎さん。どうぞ!
えーっ、少し緊張しています。
たっ、ただいま…… ただいま紹介いただきました、山崎ミカです。
こんにちは! よろしくお願いします。 石川美奈子ちゃんが私とお兄さんのこと、何度かブログに出してい
るということですから、ご存知だと思います。
今、私はお兄さんと暮らしています。お兄さんは宮根と名乗っていま
すが、実は違うんです。本当は霧隠才蔵といいます。
そのお兄さんのことについて、みなさんにお願いがあります。
お兄さんのことを他の人に言わないでください。
このブログ小説をできるだけ多くの人に読んでもらいたいと私的に
は思うのですが…… 地球人の未来を考えれば、多くの人に知っても
らっては困るのです。
そのためにお兄さんは、宮根という偽名で通しているのですから。
なぜ? って、みなさん、思うでしょ! 今はいえません。ごめんな
さい。その理由は第四章で出てきます。それまで待ってくださいね。
この小説は、才蔵お兄さんが私と出会うまでを「序 大坂夏の陣」に
入れています。第一章から私が出てきます。

序 大坂夏の陣
大坂城内は騒然としていた。
城の外では徳川の本陣に向かって、真田幸村が最後の突撃を行なおう
としていた。
大坂夏の陣である。
赤備えの鎧をつけた生き残りの軍勢が、六文銭の旗の下で待機して幸
村の命令を待っている。その数およそ三百人。
六文銭とは真田家の旗印である。
幸村は床几から立ち上がり、小さな声で叫んだ。
「才蔵、才蔵はおらぬか」
幸村の後ろから、すっと現れた若武者がいる。
今までその若武者が幸村の側にいたことを誰も気づいていなかった。
その若武者は幸村の前に出て、片膝を地面につけて頭を下げた。
「殿、才蔵でござる」
「おおっ、才蔵!」
幸村は顔を近づけ、才蔵だけに聞こえるように小さな声で言った。
「もはや大坂方の負けは目に見えている。
そちは真田の家来でもないのに、よくぞここまで尽くしてくれた。礼
を申すぞ」
幸村は才蔵の手を取って言った。
「はっ、もったいない」
「これからは真田に縁のある者だけの死に戦じゃ。
しかし、我らが死んだ後も家康が生き延びているのは何とも悔しゅう
てならぬ。
最後の頼みじゃ。
おぬしはこれより城内に入り、秀頼君を大阪城から連れ出し、どこぞ
へ落ち延びて欲しい。
家康も秀頼君の死が確認できるまでは、安心してあの世にも行けまい
て。
これが、幸村の家康に対する最後の抵抗と思うてくれ。
秀頼君が生きておわす限り、徳川を倒すことができるやも知れぬ」
真田幸村、正しくは真田信繁という。信州上田の武将であった。
関ヶ原の合戦の折、徳川家康は十万の軍勢を本体として江戸から東海
道を西へ向かった。別に十万軍の勢を中山道経由で西へ向かわせた。
その中山道を西に向かう徳川の十万の軍勢に対して、幸村は父の真田
昌幸と共に数千の軍勢で戦いを挑み、七日間、信濃の地に徳川勢を釘付
けにして、関ヶ原の合戦に遅参させたのである。
関ケ原の合戦は徳川の優勢のはずであったが、中山道経由の軍勢が
遅れたために東西互角の戦いとなった。
関ヶ原の合戦に勝利したものの、家康の真田に対する怒りは増した。
家康は、真田昌幸、幸村親子に対する報復として紀伊の山中、九度山
へ閉じ込めてしまったのである。
その後、大坂冬の陣となって、幸村は大坂方に味方をするために九度
山を出て大阪城に入ったのである。
既に昌幸は、三年前に亡くなっていた。
冬の陣では、豊臣と徳川の和睦で戦いは終わったが、家康の策略によ
って、大坂城の外堀および内堀が埋められてしまった。
敵兵をくい止める堀の全てが無くなった大坂城に徳川家康は再び攻め
てきた。これが豊臣最後の戦いとなった大坂夏の陣である。
幸村には、後の世に真田十勇士と呼ばれるつわもの達がいた。この中
に才蔵も含まれる。
十勇士の筆頭は、甲賀の忍者猿飛佐助である。
才蔵、すなわち霧隠才蔵は近江の武将の子として生まれたが、幼い頃
に戦で両親を亡くした。姉とともに伊賀へ落ちのび、そこで高度の忍び
の術を身につけたサムライであった。
才蔵は幼い頃から両親のいない環境の中で、生と死に悩み、考え続け
ていた。
人が生きるとは苦悩の連続である。
妻子を持てば、その妻子は苦悩の人生を送る。妻子を持つということ
は不幸な人間をつくることに他ならない。才蔵自身も妻子に苦悩する。
誰かの家来になれば、その誰かとの間で苦悩する。物を持てばそれを維
持することに苦悩する。
妻子を持たず、どの武将にも属さず、才蔵自身の考えで納得できる人
生を歩もうとした。
しかし、どの武将にも属さないということは、現在で言えば、個人経
営である。必然的に、大きなことができない。
おまけに、戦国の世とはいえ、すでに天下は治まり始めていた。群雄
割拠の時代であれば、才蔵にも満足できる仕事ができたかもしれない。
そうしたときに、真田幸村の家来、猿飛佐助と出会った。佐助は才蔵の
忍びの力を認め、幸村の家康殺害計画に才蔵を加えようとした。
才蔵は佐助の話しを聞き、これぞ、この時代の生きがいだと感じ、幸
村の計画に乗ることにした。
しかし、才蔵は誰かの家来にはならないという信念を変えたくない。
幸村も才蔵の生き方を微笑ましく思い、主従の関係は結ばなかった。
才蔵は今で言う契約社員として幸村の仕事に係わることになり、能力
が認められて真田十勇士に加えられたのである。
この十勇士の活躍によって、家康の本陣まで攻め入り、家康殺害が成
功するかと思える場面もあった。
家康自身も殺されると自覚し切腹をしようとしたが家来に止められて
危うく一命を取りとめた。
真田の激しい攻撃もこれで最後となるのである。
才蔵は頭を下げて幸村の言葉を聞いていた。
「殿、分り申した。じゃが今一度、家康をあの世に送るため、この才蔵
にお許し下され。
家康を殺しても、殺しそこなっても、秀頼君を城外にお連れ申します
ので……」
才蔵は懇願するように言った。
幸村は才蔵が徳川勢の中に入っても殺されるような者ではないことを
よく知っている。
「よし、分った。
じゃが、秀頼君を救い出すことを優先して欲しい。家康殺害が不可能
と思えば、深く入らず城内に戻れ。よいな」
幸村は念を押した。
「はっ、では、これでおさらばでござる」
才蔵は幸村の顔を見上げた。
「行け!」
才蔵は幸村の前から後ずさり、いつの間にかその姿は消えた。
==次回へ続く==
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美奈子で〜〜す。
この話は現代のものなんだけど、大坂夏の陣の場面が出てきて、大丈
夫かしら? ミカさんに書いてもらうように頼んだけど、心配になって
きちゃった!
でも、もう少し、様子をみることにしましょうね。
あっ、それからミカさんに聞いたのだけど、大坂夏の陣というとき、
「大坂」って書くでしょ。でも、普通は「大阪」よね。
大阪のこと、昔は「大坂」とかって書いたんだって。だから、「大坂
夏の陣」で良いらしいの。
さっ、お仕事、お仕事!
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